

YOU
- あなた -
基本的に死ぬことがありません。
より厳密にいえば、死んでも生き返ります。
普通の人間と同じように怪我を負ったり、
病気を患うことはあります。
例えば両腕を失うような大怪我をした場合や
末期ガンになった場合、
一度死んでリセットしない限り
自然に再生・治癒することはないでしょう。
死病は放置していれば死に、
やがて完全快復した状態で蘇生します。
ただし、生まれつきの障害は死んでも治りません。
先天性心疾患なども同様です。
何度も繰り返し死亡してしまうと、
蘇生の際に記憶障害を起こすことがあるようです。
不思議ですね。
MANSION
- 館 -
どこにも行けない、個性豊かな人でなしたちが
暮らす広々とした大きなお屋敷です。
あるはずの部屋がなかったり
なかったはずの部屋が現れたり
構造や内装は日々不規則に変化しています。
あなたの部屋がなくなってしまったら、
一時的に他の個室を借りましょう。
館は四方を高い煉瓦塀と鉄製の柵に囲まれており
四季折々の景色が楽しめる庭園へは
自由に出入りが可能ですが、
門の向こう、敷地の外へは出てはいけません。
あなたは本来の自分の姿を
記憶とともに失っているので、館の中では
仮の姿をとって過ごすことができます。
不思議ですね。
GUIDE
- 案内人 -
いわゆるNPCです。
主に館の管理を行っています。
記憶を失くし館に迷い込んだ人々を迎え入れるのも
彼の役割です。
生き物ではないので、性別はありません。
( ここでは便宜上 “彼” と称しています )
ほとんどヒトの形をしていますが、
頭部が大きな豆電球になっているのが特徴的です。
彼はあなたが死亡して記憶障害を起こす度に
あらゆる方向から手助けをしてくれます。
なにか困ったことがあれば
ひとまず彼に訊ねてみましょう。
彼自身はあくまでも案内人であり、
館の主人には誰も会ったことがないのだとか。
不思議ですね。
ROOM
- 部屋 -
明かりのない、薄暗く小さな部屋です。
あなたは死んだ後、いつも決まって
この部屋のベッドの上で目を覚まします。
室内にはスプリングの硬いベッドと古びた木製の椅子が一脚、
それ以外には窓もデスクもありません。
あなたが【部屋】を出ると、
扉は忽然と消えてなくなってしまいます。
もう一度死んで生き返らない限り
中に戻る方法はないようです。
館内のあちこちを移動する【部屋】の場所は
案内人だけが把握していると言われています。
あなたがどのようにして蘇り、どうしてこの部屋で
目を覚ますのかはわかっていません。
不思議ですね。
NIGHT
- 夜 -
時間帯としての “夜” とは別のものです。
案内人からはあなたを襲って記憶を奪い
館へと導いた存在だと聞いていますが、
あなたは何も覚えていません。
……そういえば。
あなたが館にやってくる前、
あなたがまだ本当の名前を覚えていた頃、
追いかけてくる何かから必死に逃げ回っていた
ような気がします。
まったくの記憶違いかもしれないし、
案内人の話から連想しただけの
ただの妄想かもしれません。
ただあなたは、これから長い長い夜が始まるような、
奇妙な予感を抱くのでした。
不思議ですね。